
ドメイン廃止で起こりうるリスクとは?安易な廃止は思わぬ落とし穴に!
- 2025年2月17日
- サイト運営・保守
「このドメイン、もう使わないから手放そうかな?」
「キャンペーンサイト用に取得したドメイン、キャンペーン終了したから廃止しよう」
ウェブサイトを運営していると、様々な事情でドメインを手放す時が来ることがあります。しかし、安易な気持ちでドメインを廃止してしまうと、後々思わぬリスクに直面してしまう可能性があります。
今回は、ドメイン廃止によって起こりうるリスクについて詳しく解説し、注意点や対策方法をまとめました。

■ドメイン廃止のリスク
ドメインを廃止するという行為は、一見すると単にウェブサイトの住所を手放すだけのように思えます。
しかし実際には、以下のような様々なリスクが潜んでいます。
- ブランドイメージの毀損(きそん)
長年運営してきたウェブサイトのドメインは、企業のブランドイメージと深く結びついています。ドメインを手放してしまうと、第三者がそのドメインを取得し、類似のウェブサイトを立ち上げる可能性があります。その結果、ユーザーが混同してしまい、ブランドイメージを毀損してしまう恐れがあります。 - SEO効果の消失
ウェブサイトを運営している場合、ドメインはSEO(検索エンジン最適化)の効果にも大きく影響します。長年運営しているドメインは、検索エンジンからの評価が高く、上位表示されやすい傾向にあります。しかし、ドメインを廃止してしまうと、これまでのSEO効果が失われてしまい、アクセス数が大幅に減少する可能性があります。 - 顧客との繋がりが途絶える
ウェブサイトを通じて顧客との関係性を構築している場合、ドメインの廃止は顧客との繋がりを途絶えさせる原因になります。ドメインが変わってしまうと、顧客は以前のウェブサイトにアクセスできなくなり、連絡が取れなくなってしまう可能性があります。 - 悪意のある第三者による利用
廃止されたドメインは、悪意のある第三者によって取得される可能性があります。取得者は、そのドメインを使って迷惑メールを送信したり、フィッシングサイトを作成したりするかもしれません。その結果、企業の信用が失墜してしまう可能性があります。 - ドメインの再取得が困難になる
一度廃止したドメインは、二度と取得できない可能性があります。特に、人気のあるドメインは、廃止後すぐに第三者に取得されてしまうことが多いです。将来的に同じドメインでウェブサイトを再開したいと思っても、叶わない可能性が高いです。
■ドメイン廃止時の注意点と対策
ドメイン廃止には様々なリスクが伴うため、慎重な判断が必要です。以下の点に注意し、適切な対策を講じるようにしましょう。
◇ドメインの重要性を再確認する:
ドメインがブランドイメージやSEO効果に与える影響を十分に理解しましょう。
◇廃止以外の選択肢を検討する:
ウェブサイトを閉鎖する場合でも、ドメインを維持する方法を検討しましょう。例えば、休眠サイトとして公開したり、リダイレクトを設定したりすることができます。
◇ドメイン管理会社に相談する:
ドメインの廃止手続きや注意点について、専門家の意見を聞きましょう。
◇廃止後の対策を検討する:
ドメインを廃止した場合、悪意のある第三者による利用を防ぐための対策を検討しましょう。例えば、ドメイン監視サービスを利用したり、商標登録を行ったりすることができます。
■悪意のある第三者による利用とは?
ドメインを廃止すると、誰でもそのドメインを取得できる状態になります。これを悪用し、以前そのドメインで運営されていたウェブサイトを装って、ユーザーを騙そうとする第三者が存在します。
具体的には、以下のような悪用事例が挙げられます。
◇フィッシング詐欺:
- 廃止されたドメインで、本物のウェブサイトとそっくりな偽サイトを作成し、ユーザー名やパスワード、クレジットカード情報などの個人情報を盗み取る。
- 特に、金融機関やECサイトなど、個人情報を取り扱うウェブサイトのドメインは狙われやすい。
◇マルウェアの配布:
- 廃止されたドメインで、マルウェアを仕込んだウェブサイトを運営し、アクセスしたユーザーの端末に感染させる。
- マルウェアに感染すると、個人情報が盗まれたり、端末が遠隔操作されたりする危険性がある。
◇スパムメールの送信:
- 廃止されたドメインを使って、大量のスパムメールを送信する。
- ドメインの評判が悪化し、将来的に同じドメインでウェブサイトを運営する際に支障をきたす可能性がある。
◇なりすまし:
- 廃止されたドメインで、企業や組織になりすましたウェブサイトを運営し、虚偽の情報発信や詐欺行為を行う。企業の信用を著しく毀損する可能性がある。
●具体的な事例
例えば、過去に人気があったECサイトのドメインが廃止されたとします。悪意のある第三者は、そのドメインを取得し、以前と全く同じデザインの偽サイトを作成します。そして、ユーザーに「会員情報更新のお願い」といったメールを送りつけ、偽サイトに誘導します。ユーザーが偽サイトで個人情報を入力してしまうと、情報が盗み取られてしまうのです。
●対策方法
このようなリスクを防ぐためには、以下の対策を検討しましょう。
◇ドメインを安易に廃止しない:
- 特に、ブランドイメージやSEO効果が高いドメインは、廃止せずに保持しておくことを検討しましょう。
- 維持費が気になる場合は、更新期間を短くしたり、ドメイン管理会社を変更したりするなどの方法もあります。
◇廃止前に適切な処置を講じる:
- ウェブサイトを閉鎖する際は、サイト上に閉鎖の旨を明記し、ユーザーに混乱を与えないようにしましょう。
- また、サイトへのアクセスをリダイレクト設定することで、ユーザーを新しいウェブサイトへ誘導することができます。
◇サイト閉鎖からドメイン廃止までの期間:
- サイトを閉鎖してからすぐにドメインを廃止するのではなく、一定期間(最低でも数ヶ月〜1年)はドメインを保持しておくことをおすすめします。
- これにより、サイト閉鎖の告知がユーザーに浸透し、悪意のある第三者による被害を最小限に抑えることができます。
- また、この期間にドメインの再利用を検討する余地も生まれます。
◇ドメイン監視サービスを利用する:
- ドメイン監視サービスを利用することで、第三者によるドメインの不正利用を早期に発見することができます。
◇商標登録を行う:
- ドメインを商標登録することで、第三者による不正利用を法的に阻止することができます。
■まとめ
ドメインの廃止は、安易に考えると大きなリスクを伴う可能性があります。今回ご紹介した内容を参考に、ドメインの重要性を再認識し、安易なドメイン廃止は避け、適切な対策を講じるようにしましょう。
ご自身の状況に合わせて、専門家やドメイン管理会社に相談することも検討しましょう。